お知らせ
トップ > お知らせ一覧 > 新耐震と旧耐震の違いとは?
2017.03.12
新耐震と旧耐震の違いとは?

「新耐震」という言葉、

皆さんも
耳にしたことがあるのではないでしょうか?

新耐震とは正式名称
「新耐震基準」
と言いますが、
関東大震災の翌年1924年に、
世界に先駆けて日本での建築物が有する耐震に対する
基準として施行された「耐震基準」。
この耐震基準を1981年6月1日に、
より地震に対しての強度を高める為に
制定されました。
その新耐震基準より以前の基準で建設された建築物を
一般的に旧耐震、
以降の建築物を
新耐震と呼んでいます。

では??
新耐震基準が制定されていったい何がどう変わったのでしょうか?
新耐震基準以前の基準としては、
「震度5程度の地震で倒壊しないこと」
という基準があるのみでした。

そして新耐震基準では、
「震度5程度の地震では軽微なひび割れにとどめられること」

「震度6~7の地震でも倒壊しないこと」
と改定されました。

耐震基準が改定されるきっかけとなったのは、
1978年6月12日に起きた宮城県沖地震でした。
マグニチュード7.4、最大震度5というものでしたが、
建物の全半壊は7400戸もの被害を出したことから、
耐震基準が見直されることとなりました。

その効果としては、
最大震度7を記録した1995年の1月17日の
「阪神・淡路大震災」
で実証されます。
日本建築学会の発表した
「1995年兵庫県南部地震災害調査速報」
によると、
旧耐震基準の内、鉄骨造建物の約8割、
鉄筋コンクリート造建物の約半数が大破・倒壊という調査報告に対して、
新耐震基準のものに関しては、
大破倒壊した建物はほぼ無かった、という調査報告が出ています。
更には、
部屋数が多い分壁や柱も多いワンルームマンションに関しては、
倒壊は1つも無かった、ということです。
また、阪神・淡路大震災で亡くなった方の約9割弱が
木造家屋や家具類等の倒壊による圧迫死、
残りは火災等による2次災害での被害と報告されています。

ちなみに、
旧耐震の木造建物に関しては約3割が倒壊に対して、
新耐震の木造建物の倒壊は1割弱にまで減少しています。
ですが、
この結果を受けて、2000年に建築基準法も改正され、
木造建物の耐震性も向上される規定が盛り込まれることとなります。
その後も2005年と2007年にも改正が行われました。

2011年3月11日

「東日本大震災」

東日本大震災による被災状況調査結果

『高層住宅管理業協会』4月21日発表

被害を耐震基準別に見ると、

「旧耐震(1970年以前)」

対象3棟、全て「小破」だった。

「移行期(1971~1981年)」

対象79棟、「中破」5棟(6.3%)、「小破」27棟(34.2%)、「軽微・損傷なし」47棟(59.5%)。

「新耐震(1981年以降)」

対象1,560棟、「中破」21棟(1.3%)、「小破」253棟(16.2%)、「軽微・損傷なし」1286棟(82.4%)でした。
現在の日本の建物に関しては、
地震に対して非常に強い作りであるということが言えます。

 

地震大国である日本。
この国で生活する私達は、
自宅や投資用の不動産を選ぶ際には
耐震低の高い建物を選ぶということが、
命を守る上で大切なこととなります。

message_goseichou_woman